さまざまな親子のかたち
こんにちは。画像100個以上あるので長いです
親子丼をよりよいものにしたいという欲求が人類にはあると思うのですが、案外うまくいかないよねという話をこないだのイブニングに描きました。そんであれには前段があって、ある夏の日に「冷やし親子丼が可能ではないか?」と考えたことです。
鶏ささみをだし汁かなんかと一緒に封して低温調理にかけようとしています
はい
低温かけたのを適当にカットします
アボカド
うらごしてワカモレ的なものにします。もう忘れたけど味ぽんとかそういうのを練り込んでいると思う。自分の調味のことはなんとなくわかる。
これはいわゆる低温調理をした際に肉から出る低温汁といわれるものです
これを溶き卵に混ぜるなどしてスクランブルエッグを作ろうとしています
ちょっとわかりの足りない仕上がりですね。
はい
これで完成
これをいままで発表しなかった理由は簡単で、うまくないからです
翌日冷蔵庫でガチガチに冷えてたのに味ぽんを追ってぐちゃぐちゃにしたら、それはむしろうまかった。この体験により「鶏はぬるいとまずい」という仮説が生まれます。
時が経ち、満を持してリベンジしようということになったわけです。とはいえこの段階ではまだイメージが全くありません。イメージのない料理はあぶない。とりあえずガラスープを何かに使うかもしれないのでガラを。あと素材が悪いせいでまずくなるのを避けるためになるべくいいやつを揃えていきます。高島屋に行ったら比内地鶏のガラしかなくて強いなーと思った
ガラです
鶏ガラを粉砕するとどうなるんだろうという素朴な疑問をします
フムー
フムッフムッ
違いはよくわからないので気持ちの問題かもしれない
ダシガラを粉砕すれば、あるいは、、
あたたかいものを粉砕するとフードプロセッサは爆発します
気を取り直して手羽の煮付けを作ります
できた。うまいけど親子丼には使いませんでした
親子丼にはめんつゆ的なものが必要なのでいつものやつを仕込みます。あと最近荒節と本枯節の違いがわかりました。荒節が色が濃くて香りが強い。本枯節が色が薄くて味が濃い。個人的にはどちらのノリも欲しいのでブレンドしていきたい感じです。
あろ
いつもの感じです
はい
今回の肉は阿波尾鶏、卵は名古屋コーチンを使用します。香りがよく、いい値段がします。今から3組の親子を作ります。
ムネは低温調理します。しました
はい
卵黄と醤油であえて1組目の親子です。すでにうまいんだからこのまま食えばいいじゃんというのはひとまず置いておきます。
モモをガラスープで炊こうとしているところです
はい
わりとガッツリ煮て、皮はよけます
ガッツリ煮たので手で粉砕できます。ごま油であえています
これと溶き卵でスクランブルエッグを作ろうとしています
これが2組目の親子
モモは別に、浅く茹でたやつも用意します
おろし生姜でもんでやろうと考えています
もんだ
フライパンでモモ肉と卵をとじてみましたが、いまいち要領を得ません。頭がモワモワしていた記憶があります。あと玉葱を入れないのは食えないからです。とにかく3組目の親子です。
これは茹で汁に保冷剤をぶちこんで無理矢理冷ましている様子です。
これは鶏飯を作りたかったからです
たけた
今まで何やってたのかについてですが、上の3種の「親子」を合体させた親子丼をやろうという企画です。
三つ葉乗せただけなのに料理になるので三つ葉すごい
フムッ
フム
フムーン
全体的にぬるくていまいちですね。やはり鶏は熱いか冷たいかはっきりしてないとだめ。最近は卵黄とタタキで構成された生親子丼なんてのもありますが、きっちり冷えていればうまいと思います。
これなんだっけ、多分やけになってガチガチに煮たらこっちの方がうまいやんけ、俺は、、となっているところです
やっぱ七味だよね
ていうかレシピの完成に3日かかっています。いま2日目のお話をしています。これは何をしているのかよくわかりません。
三つ葉もっとあってもいいし新機軸が欲しいと思ったのでなんか細かいのを作っています
ムネをめんつゆに漬けて冷やしたものです
これはモモを最初から生姜であえています。これやんなくてもいいかも。わかんないけど
おれはもうだめだと思ったので買いました。いい値段がする。
これは多分卵とめんつゆをあらかじめ混ぜといたらいいやんけという考え方です。
さて、、
フムー
卵投入
だめっぽい感じがしますね。
一方その頃、丼にはこのようにスタンバイされています。飯を鶏飯から白米に戻したのは、鶏飯は脂をまとってパラパラしてて食いにくいのと、そもそも米のほうがしっくりくると思ったからです。鶏飯先生ありがとう。きみを忘れない
じゃあまあ乗せましょうか
ウリャー
これは、、
なんでめんつゆと卵まぜちゃったんだよという味です。これは親子丼茶漬けなるものが存在するのでそれに引っ張られたというのもあります。しかしここから「汁分を増すより卵黄が本質」「上から熱いのがかかったムネ肉はうまい」などの知見が得られてきます。
ここで一旦終わってしまい、ナスが文明をもちました。
モノリスせいこう!
ナスは完璧になり、旅立っていきました
さて3日目です。というか2日目の段階で担当に「今回は失敗回で、親子丼の新しい形というのは無理だということを描きます」と連絡していましたが、とにかくやっていきます。これ鶏飯っぽくね?まあいいや
今回はモモをとじる卵を、全卵1と卵黄2で構成しました。我々は親子丼で何が食いたいのか?熱でちょっとゼリーっぽくなった「あの卵黄」なのではないか、ならば卵黄が多ければ多いほど「あの卵黄」の出現率が高くなると思われます。卵黄だけだとベタベタになる可能性があるので一応全卵で安全をとります。
ちょっと色がいまいちですね。色の話はやめろ!
例によってここまで仕込んでおきます。ちなみにこの刻んだ三つ葉は個人的にはアリ。
布陣
必要最低限量のめんつゆで肉が張り付かないよう加熱していきます
溶き卵2回だか3回だかに分けて入れていきます
フムッ
フムー
悪くない
けっこう卵黄がゼリってますね。中央にくぼみを作ります
エッグ・オン
完成。漫画では卵黄が3つともよく見えるようにいじっています。これは低温調理卵黄を乗せるなどもおそらくグッドでしょう。
フムッティー
ムネも良い感じ
いいんじゃないでしょうか??
それはもう割るでしょう
うまいうまい
でまくり
ぶっちゃけ醤油をたらすと更に良くなり、仏教ではTKGの可能性があります。
というわけで親子丼は熱々を作るのと、卵黄を多めにすることでざっくりゴージャスになるということが現時点のわかりになっています。よかったですね。